室内のリフォームと違って、車庫・ガレージのリフォームはどうしても後回しになる傾向があります。 しかし、「新車をきれいに停めておきたい」「屋根もない雨ざらし状態はさすがに不便だ」「ビルドイン式のガレージに憧れる」…など、自宅の敷地内に自家用車を置いていると、さまざまな悩みや願いがあるでしょう。なんとなく駐車スペースをリフォームして後悔する前に必見です。駐車場の種類やリフォームの方法、後悔しない理想的な計画の立て方まで紹介します。
「カーポート、車庫、ガレージの違いはなんでしょうか。駐車場には屋根が必要なのかも含め、考えてみましょう。
車を購入する際には、車を保管(駐車)する場所を登録しなくてはなりません。登録には車庫証明が必要で、自宅敷地内でも近隣の貸し駐車場でもいいですが、駐車場が必要なことは法律で決まっています。
雨の日や荷物の多いときに、とくに便利な車。だから、駐車スペースは、なるべく雨でも濡れない自宅の敷地内にあるのが理想ですよね。
一戸建てが立ち並ぶ町を歩いていると駐車場がある家が多いですが、屋根のある駐車場とない駐車場に分かれることに気がつきます。屋根がないと支柱がない分駐車場を広く使えるので、車庫入れが苦手な方でも大丈夫。多少、荒っぽいバックをしても車をぶつけないというメリットがあります。また、車高を上げた車や、もともと高さのあるSUVやミニバンでも、安心して停めることができます。
しかし、屋根のないデメリットも看過できません。
一番わかりやすいのは汚れ。砂ぼこり、土ぼこりはもちろんですが、鳥などの糞が車にこびりつくと実に厄介なことに。街中の駐車場に30分程度止めて「やられた!」という経験は誰にでもあるはずです。
さらに重要なのは車内の室温上昇です。温暖化に拍車がかかる日本では、避けては通れません。出先での炎天下放置はやむをえませんが、自宅では回避すべきです。 屋根がない駐車場も選択肢の一つですが、車に負担をかけない屋根ありの駐車場をおすすめします。
屋根付きの駐車場と聞いて、どのようなものをイメージされるでしょうか。
一般的なのはカーポートと呼ばれるもので、外からは車が丸見えですが、屋根がかかっているので車への風雨は軽減できます。ほかにも、3方向以上が壁に囲まれている形状の車庫(ガレージ)があります。大きな物置をイメージしてもらってもいいでしょう。屋根があるという点ではカーポートと変わらないですが、閉鎖空間であることのメリットは多大です。
まずカーポートと同じく、風雨や鳥の糞などから車を守ります。風雨にさらされないことは、車好きの方ならできれば避けたいはず。高級車ならもちろんですが、大衆車であっても「この車を大事に乗りたい!」と考えるならば、3方向に壁があることは必須ポイントです。
また、ガレージは防犯上の観点からも欠かせません。とくに盗難に遭いやすい上位車種に乗っている方は要注意。最近ではリレーアタックという方法で、駐車場に置いてある車を2~3分で盗っていく手口が横行しています。盗難発生場所は自宅(屋外)がもっとも多く、次いで契約駐車場(屋外)と、屋外駐車場での盗難が8割近くにのぼります。(注1)
注1
出典:一般社団法人 日本損害保険協会「第20回 自動車盗難事故実態調査結果」(P9)
http://www.sonpo.or.jp/news/file/01462.pdf
盗難の不安もガレージにすれば激減します。可能性は0ではありませんが、ガレージの大きなメリットといえるでしょう。
とはいえ、ガレージにもデメリットはあります。
閉鎖空間になるガレージは、「高温」や「臭いがこもる」、「結露が発生」などの問題はつきもの。ちゃんと対応策を立てておきましょう。
まず大事なのは夏場の高温問題。屋根をつけても、屋根自体が暑くなってしまっては意味がありません。最近は、メーカーがしっかり対策を施した商品がたくさん出ています。ガレージに窓を付けるのも効果が高いです。窓を付けることにより、熱を放出する効果もあり、内部にたまる臭いを排出する効果があります。
また、ガレージ内外の温度差でとくに懸念されるのが、天井に発生する結露。これがポタポタと落ちると車の天井は水浸しになってしまいますが、こういった問題に対応できるガレージ商品やオプションも多数あります。
カーポートとは先ほどのガレージとは違い、3方向以上に壁がなく、柱と屋根で構成されたものです。
ガレージと比較すると簡単な造りになっていますが、屋根があることによって風雨のみならず紫外線からも車を守ります。気づきにくいのですが、紫外線が車に与える影響は多大です。人間の肌に与える影響は周知の事実ですが、車の塗装にもダメージを与えることがあります。また、カーポートの外に車を出せば、屋根で紫外線を防ぎつつBBQを楽しんだり、子供用のプールで遊ばせたりもできますね。
このようなメリットがあるカーポートですが、雪が降る地域では他地域とは異なる悩みがあるようです。寒冷地や積雪地にお住まいの方が心配する雪に対するカーポートの耐久性ですが、耐久性の高いカーポート商品はあります。とはいえ、20~30cm程度の積雪から豪雪地域もあり、積雪の度合いによって耐久性は変わります。どのような地域でも、その地域に対応する商品があるので、工事を担当する業者に相談してください。
ガレージの重要性についておわかりいただけたかと思いますが、次に、どのような形状が我が家には合うのか?を入念に計画することが重要です。
まずは、現状で困っている駐車場に関するポイントを上げていきましょう。
・雨の日に濡れる
・夏の日には車内が灼熱地獄になってしまう
……このような不満がいくらでも出てくるでしょう。後悔しないガレージリフォームは、こうした不満点をあぶりだすことから始まります。
奥さんにとっては車庫入れのしやすさが第一条件かもしれませんし、ご主人にとっての使いやすさは荒天でも濡れずに乗り降りができることかもしれません。
ご主人が無類の車好きであれば、「リビングから車を眺められたらいいな」という要望が出てくるかもしれませんし、大学生の娘さんから「軽自動車でいいから車が欲しい」との希望が出たら、複数台に対応したガレージが必要になります。
車に関わる家族の希望をまとめて、より深くより幅広く検討を重ねたうえで優先順位を決めていきましょう。
家族の要望がまとまったら、次に考えるのは予算ですが、まったく見当がつかないと思います。工事によって大きく異なるので当然ですが、私からおすすめしたいのはおおよその最大許容金額を決めることです。「300万円が限界かな……」などと決めたうえで、リフォーム店に相談しましょう。ただし、打ち合わせを進めると、魅力的な商品やオプションをたくさん紹介されるので、この金額は可能な限り多めに設定をしてください。
また、見積もりは複数のリフォーム店に出してみましょう。見積価格が違うのはもちろん、会社によって提案内容が違うからです。 A社はデザインのセンスがあり、建物の色とのバランスを考えた提案になっているかもしれません。また、B社は商品知識と工事経験数が膨大にあるかもしれないからです。 また、工事期間や打ち合わせに要する時間も異なります。納得のいくガレージリフォームのためにも、スケジュールについては余裕をもって相談することをおすすめします。
インテリアは耳なじみのある言葉ですが、エクステリアと聞くと「わからない」という方も多いでしょう。
エクステリアとは家の外観のことですが、ガレージを含めて門扉や塀もエクステリアにあたります。注目すべきはエクステリアとインテリアの関心度の変化です。昔はインテリアには注力するものの、エクステリアには少し消極的な傾向がありました。(そのため以前は「外構」と呼ばれていました)しかし、機能重視だったガレージにもおしゃれ化の波が到来し、機能性をさらに進化させながら、おしゃれな商品が目白押しです。
そして、もう一つのポイントは建物との調和。ガレージやカーポートだけおしゃれにしても、家とのバランスや色調がバラバラでは落第です。
おしゃれな駐車場を作るポイントですが、まずは家との一体感を出すこと。これによって、敷地内のすべてがおしゃれな雰囲気を醸し出せるのです。また、おしゃれな駐車場で室内との動線がよい駐車場という2点を満たすと、縁側やウッドデッキと同じような使い方も可能になります。ガレージは室外の空間になるのですが、屋根続きであったり、色味を同じようにしたりすることで、もう一つの部屋という感覚に仕上げられます。BBQなども楽しいですし、お子さんを遊ばせる空間にもできます。ハンモックを吊るしてのんびり読書……という生活シーンも頭に浮かんできませんか?
「ガレージってここまで進化したんだな~」というのが私の率直な感想です。実はLIXILの「スタイルコート」について、発表直後から知っており、商品カタログも目を通していました。
機能性ばかりに目がいくガレージですが、この商品はおしゃれさを追求しています。シャイングレー、柿渋といった落ち着いた色目を使っているため、家よりもガレージが目立つというリスクも低減。ガレージ内の色味も落ち着いているのに加えて、オプションで天井をすっきり見せる加工も選択できます。
また、使い勝手で私が注目したのが、オプションの棚の存在。ガレージの欠点は物を置く場所がないことでしたが、その難点を解消しています。椅子やテーブルを持ち込んで、自分のリビングのように使えるのがガレージハウスのポイントです。詳細はホームページでご覧ください。
ここまでガレージとカーポートについて書いてきました。今の駐車場に不満を抱いているならば、ガレージやカーポートのリフォームを検討してみましょう。ガレージは、倉庫に近いイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、最新の商品は、デザイン性や使い勝手まで含めて実によくできています。しっかりとリフォーム計画を立案したうえで予算を組み、複数のリフォーム店に声をかけ、徹底的に検討してください。そうしてできあがった新しいガレージは、あなたの生活をさらに豊かなものとするでしょう。
筆者:森 雅樹
(もり・まさき)
森住宅コンサルタント株式会社、
代表取締役。大手ハウスメーカーで戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。
その後、森住宅コンサルタント株式会社を興して独立。
現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサルティング活動を行う。
お客さまのお悩みやリフォームでのポイントを大きく3つの状況に分け、ご紹介いたします。
お客さまのお悩みやリフォームでのポイントを 大きく3つの状況に分け、ご紹介いたします。
リフォーム会社を自分だけで探すのはとても大変。
何社ものリフォーム会社を家に呼ぶのは少し不安。
LIXILならではの
デザイン・機能性にこだわったエクステリアリフォーム商品も紹介できるんです。
リフォームコンタクトなら匿名で相談ができるのでしつこい営業がなく、
お断りするのも簡単。24時間自分のペースで納得できる
リフォーム会社をえらぶことができます。
厳選されたリフォーム会社のみをご紹介しておりますが万が一の欠陥等の不具合には、
無償で直してもらえる瑕疵保険が使えます。工事完了後もしっかりサポートするので安心です。
個人情報をSSLで暗号化し、保護しておりますので、安心してご利用いただけます。